平成29年10月12日(木)、北九州市難病相談支援センターがオープンし、事務局長の永松が記念セレモニーのパネルディスカッションでコーディネーターを務めましたので、報告いたします。
各県に基本的に1ヶ所ある難病相談支援センターですが、福岡も九州大学病院内にございます。
しかし広い福岡県で福岡市内で1ヶ所の相談窓口は、当然多くの患者のニーズに応えるには限界があります。
ここで奮闘する相談員さんは、どこにも負けないくらいに活発で、休日返上で患者の集いに足を運ばれますが、やはり相談窓口は各地方に必要です。
昨年8月より、北九州市では「難病対策地域協議会」がスタートし、昨年度は3回、今年度は2回の開催の予定で、活発な意見交換が広げられています。
昨年10月の第2回では、難病に特化した相談窓口の必要性を訴え、その後北九州市では検討を重ねていったようです。
今回のセンターオープンは、地域協議会でのニーズを形にしたもので、いかに難病に目を向けているかを表しているのではないでしょうか。
難病相談支援センターは、患者会や医療機関やNPO法人への委託事業が多い中、北九州センターは市の直営で、相談員さんも市の職員さんです。
委託したことで難病対策をしているという形をとるのではなく、行政が直接患者と向き合う体制は、患者の声がそのまま行政に届く利点がります。
北九州市は全国有数の工業地帯でもあるため、就労の課題も取り組みやすい環境もあり、今後の取り組みに注目が集まりますが、何より相談員の熱意が市を動かしていることを見ると、不安はなく期待が大きく膨らみます。
さてそのセンターに足を運んでみましたら、ワクワクすることばかりです。
小倉駅から徒歩数分のアクセスの良い7階建てのビル総合福祉センター(アシスト21)の6階の一角にオープン。
まずかなりの広さに驚きます。100人くらいの講演会は可能なくらいのフロアに、紫川が望める一面のガラスから入る太陽の光は、訪れる患者の心を和ませてくれます。
真っ白な壁には、県内の患者会の活動報告がA2判のパネルで展示。
それを読むだけで、1時間はかかります。
ガラス窓に面して、20mはある長いカウンターは、頭上は2階吹き抜けの解放感と太陽の光。
自由に訪れて、本を読むもよし、PC作業をするもよし、お茶を飲むだけでもOK。
センターの最大の目的の相談は、ドアを開けたら大きな窓ガラスからテラスを望む解放感。そんな部屋が3部屋用意されています。
その部屋に入るだけで、不安も吹き飛んでしまいそうです。
広いフロアは、今は予算の関係で何にもありませんが、いつでも足を運べるようにカフェ風の交流空間にしたい。。。とのことです。
センターがあるアシスト21の5階には、認知症カフェ「カフェオレンジ」が常時オープン。
コーヒーや紅茶を無料で提供してくれるカフェには、ボランティアスタッフが笑顔で迎えてくれます。
相談の前や後に立ち寄ったり、患者仲間の交流の場としても使えます。
第2部は、「みんなで育てる北九州市難病相談支援センター」をテーマに、パネルディスカッションを展開。
永松事務局長(再発性多発軟骨炎(RP)患者会代表)の進行により、IBDネットワークの山田貴代加さん、ケアラーの柴田弘子さん(産業医科大教授)、薬剤師の工藤信孝さん、県の支援センターの青木惇さん、そして北九州市支援センターの相談員に着いた河津博美さんが、それぞれの立場でセンターをどう活かしてどう盛り上げていくか意見交換を行い、1時間があっと言う間に過ぎてしまいました。
地方での難病対策が今後のテーマとなる現在、「育てる」と言う視点は患者会や患者さんが持たなければいけない大事な一点だと感じます。
難病対策を料理に例えるなら、国が展開する対策を素材、その素材をどう料理し盛り付けるかが地方だと思います。
料理には技術とセンスが必要ですが、「美味しくないからもう来ない」ではなく、足らない調味料や素材はしっかりと伝え、材料費を検討しながら新しい味になっていくと思います。
一緒に美味しい味となるように共同作業をすることが、育てるということと感じますし、今日のセンターオープンは、参加した患者さんが皆そう思われたと感じます。
まだ始まったばかりの北九州市難病相談支援センター。
北九州市の難病患者さんの自慢のセンターになるように、私たち難病NET.RDing福岡も一緒になって盛り上げていきたいと思います。
北九州市難病相談支援センター
北九州市小倉北区馬借1-7-1 北九州市総合保健福祉センター6階
TEL:093-522-8761
FAX:093-533-6356