第2回北九州市難病対策地域協議会を傍聴して

【第2回北九州市難病対策地域協議会を傍聴して】

9月30日(金)18:30~20:00に、第2回北九州市難病対策地域協議会が開催され、事務局長の永松が傍聴をしてきましたので報告を致します。

 

■協議会構成員
・15名で構成され、患者当事者(患者会)4名、医療関係者(薬剤師含む)5名、介護・高齢者福祉関係3名、障害者福祉関連2名、企業1名
・北九州市職員が事務局として16名参加

■第2回のテーマ
「難病相談の仕組み」について

■協議の内容
第1回は、添付資料から推測すると、「相談」「医療費助成制度」「就労」「医療」「患者会」「危機管理」「協議の進め方」について、大枠の意見を集約したように感じます。
第2回となる今回は、その中で「難病相談の仕組み」について各構成員より現状や現在の各自の取り組みや要望を出し、ある程度の展望を出したと感じます。
現在福岡の難病相談支援センターは福岡市の九大病院内にあり、北九州市からそこに赴いて相談をすることは九大外来に行く以外に現実は厳しい状況。
市として難病関連の相談窓口は、小慢以外は区役所の高齢者・障がい者相談コーナーをはじめとする障がい者福祉関連となります。
疾患別として現在行われている相談業務としては、九大病院の専門外来にその疾患に関する相談窓口を設置しているなどの情報もあったが、やはり難病患者が相談項目を問わずに、気軽に相談できる窓口の設置を望む声が多かったようです。
相談支援センターを北九州市に設置できればいい、との意見に集約できるが、平成30年設置に向けて動いていると言う行政からの報告もありましたが、短時間の報告でしたので、詳細は把握出来ませんでした。
しかし、現状を打破するためには、市独自の相談窓口設置が必須で、センターの設置の方向で協議が終了しました。

■傍聴の感想
全国でも早くに北九州市は難病対策地域協議会が設置され、福岡ではもちろん唯一のものですが、九州内でも唯一かもしれません。
患者当事者が発言が出来、それを行政や各専門分野の方々が協議することは、難病患者の環境を改善する一番の近道と感じます。
傍聴ですので、意見を言うことが出来ませんが、私からも意見を聞いてほしい!と欲求不満気味の1時間半でした。
この協議会は福岡・九州の牽引力となることは間違いないことで、さらに全国の牽引力となってほしいと期待をいたします。
その意味で、少々辛口になりますが今後の協議の参考になればと感想を書かせて頂きます。

①協議内容が「相談の仕組み」であれば、全国の相談支援センターの相談実績などを調べて参考にする必要があったのではと感じます。
例えば、平成20年~22年度の相談件数の平均ですが、福岡県は731件。ずば抜けて相談件数が多い千葉県は6,309件で福岡の8.6倍です。
千葉県は各方面の「難病医療協力病院」9か所に相談支援センターを設置しているため、多くの患者の声を受ける体制が出来ているからではと思います。
人口は、千葉が約600万人で福岡は500万人ですので、人口比率でも大きな差があると思います。
ですので、細かな患者のニーズを把握し相談を受ける体制を作るには、多くの相談窓口に加え、相談項目を問わず「難病」に特化した物が必要で、政令指定都市である北九州市にはこの相談センターの設置は必須であり、その方向性に話が進むのは大きく予測できたのではと感じますし、その情報を協議会前に準備しておく必要があったのではと感じました。

②当事者が4人の30%未満であるのは、より多くの声を把握するには不十分ではと感じます。
疾患が持つ課題を項目別に当てはめれば、免疫、遺伝子、先天性、身体障がい、筋疾患、経過措置等々かと思いますが、超希少疾患、指定難病外の声が届きにくいのではと思います。
この協議会で必要なのは、難病・慢性疾患の課題を広く示していける事で、より多くの課題を示して共有するような体制が必要かと感じました。
第1回の「協議会の進め方」で、当事者から「系統別の当事者から声を聞くために、協議会でヒアリングしては」との議事録がありますので、構成員とは別に、参考人を呼ぶことや協議会の前に幅広い患者の声をヒアリングすることも必要かと思いました。

③第1回の論点が上記の7点があり、それに沿って今後も進むと思いますが、治療環境や生活上の課題や福祉に関する概要が無かったため、論点として項目を設ける必要があったのでは?と感じています。

長くなりましたが、患者当事者の声を届け形にしていく場所があることに大きな希望を持ち、会場をあとにしました。
傍聴は残念ながら私一人でしたが、患者・家族や議員や医療関係者など、多くの方に参加していただきたいと思います。